君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


ぐっといろんなものを堪えて、笑った。


「…俺は、ずっとこのピアスを付け続けるから。俺が全部覚えているから、逢は全部外して」

「……うん、わかった。ちゃんと、思い出にするよ」

君の思い出になりたい。
君の一部になりたい。

死んでも、君の記憶の中で生き続けたい。

悲しいのも、嬉しいのも混ざった彼女の涙を優しく拭って、目じりにキスを落とす。


「なんにも変えられないくらい、お前が好きだよ、逢」

「うん、…うん」

唇をかんで、泣かないようにと我慢している彼女が、すごく悲しい。


「…こんなに、好きなのに。それをもっと伝えたいのに。言葉では表せないほどお前が好きなのに……俺は今、あいにく言葉しか持ち合わせていない」

「…充分だよ、那知。いっぱい…いっぱい伝わってるよ」


キラキラとイルミネーションが反射した彼女の潤む瞳を、目に焼き付けた。

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