君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
来た赤いバスに乗り込んで、いつも通りふたりの指定席に座ろうとしたが、今日はクリスマスということもあり、席は埋まっている。
辛うじてひとつ空いていたふたりがけの座席。
少しふたり見つめあって、逢が窓側へ座った。
恋人。
躊躇わずに、隣にいれる。
君への距離なんてほんのわずか1cmほど。
心臓の音が、聞こえてそうで、不意に不安になった。
前の世界で『逢は、俺のこと好き?』
そう聞いた2月14日。
俺と彼女が、恋人ではなくなった日。