君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
君へ贈る恋色
時は無情にも、過ぎていった。
リビングのテレビは朝のニュースが流れ、ちょうど6時だとアナウンサーが伝える。
テレビの横に視界をやれば、カレンダーが俺を嘲笑うかのように掛けられていた。
「おはよう母さん、今日始発で行くから」
「あら、そうなの。わかった」
「それと今日、友達んちに泊まる。明日もそのまま帰ってこないから…」
「はいはい、お友達によろしくね」
何気ない会話。
それでも、きっと最後の会話。
着慣れた制服に、履きなれた革靴を履いて、玄関のドアを開ける。
行ってらっしゃい。
気を付けてね。
いつもの様に微笑んだ母に、目頭が熱くなる。