君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


「お前に、負担をかけてすまなかった」


頭を下げた父さんに、

「それは母さんに言ってよ」って笑ったら、

「そうだな」なんて頭をかいていた。


その日父さんを強引に俺の家に連れていき、俺の作った夜ご飯を一緒に食べた。

帰ってきた母さんは、それはそれはすごく驚いていた。


でも、嬉しいとき頬を両手で触る癖に、俺も父さんも気付いていたよ。


それから俺のいないとこでも会うようになったの、知ってるんだからな。

俺がいなくなっても、ふたりで支えあってほしい。


心からそう思ってるよ。



それから、友人たちには、逢と同じように会えなくなると言った。

理久は「もっと早く言えよ」と泣いていた。


俺のために泣いてくれる友人がいること、胸に刻んでいたい。

いつも俺と笑ってくれた友人たちがいること、この目に、胸に、心に、刻んでいたい。


死んでも、忘れないように。

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