君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
「もう泣いてんの」
俺が笑いながら言うと、彼女は泣きながら何か怒っているようだ。
「ありがとう、日向。俺も忘れねぇよ、絶対」
笑いかければ今までの顔が嘘みたいに晴れて、笑顔になる。
理久のこと、頼んだぞ。日向。
あいつは意外と寂しがり屋だから。
「那知」
少し遠くの方から、優しい声が聞こえた。
「…裕也」
教室の入口辺りに立っている裕也へ足を動かし、そのまま抱きつく。
「裕也、ありがとう…お前と仲良くなれて良かった」
「俺もだよ、那知」
熱い抱擁に、小さく聞こえてきた声。
「…雪白のことは、心配しないで。みんなで支えるよ」
離れた体に、見えた彼の優しい笑み。
「……何で、気がかりなことわかったんだよ…」
くしゃりと歪んだ顔を片手で隠せば、裕也はまた優しい声で教えてくれた。
「那知は、ずっと雪白のことばっかりだろう」