君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


長針はもうすぐ“4”と書かれたところへ。


俺と逢は、靴を履いて玄関を出た。


家の前で、ふたり立ち尽くす。




しばらくの沈黙の後、鼻をすする音が聞こえた。



「…やっぱり、行っちゃうの…?」


下を向いている逢の顔は、やっぱり見えない。


「…うん…ごめんな、逢…」


ごめん、ごめんな。



「俺、もう…お前のそばに…居らんねぇんだ」



今日…死んじまうんだ。


なんて、言えねぇよな。


「…っ…な、ち…」


俺の裾を控えめに握る姿が悲しくて。

ぽろぽろと零れる彼女の涙に、グッと唇を噛んだ。


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