君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。


「いつでも、私の家に来ていいからね。何か困ったことがあれば、遠慮なく来なさい。…それで、逢のぶんまで、幸せになってほしい」


微笑んだ彼に、青い手紙をぎゅっと握りしめて、深く頭を下げた。

ぐしゃぐしゃに撫でられた髪を、泣き笑いしながら元に戻して、彼の背中を見送った。



逢。

俺は、幸せになんて……


なろうとすら、思えないのかもしれない。




家へ帰ってベッドに座り込み、青い手紙を震える手で持つ。


真っ暗な部屋。

閉まっているカーテンの外も、雪が降って暗い。


あの子の笑顔をもう一度見れないかと、目を閉じていくら待ってみても、ただベッドに沈み込んでいくだけだった。



今となっては全てが夢だったのではないかとすら感じる。




けれど確実に、あの子は俺を、



『なーくん』とも『那知』とも呼んだのだ。


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