君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。
奇跡みたいなことが起きたふたつの世界が混じりあっても、俺が求めた彼女が居ないことに、変わりはなかった。
神様にも、いつか俺の前に現れた黒沼っていう今でも何者かわからないやつにも、こんな運命にさえ腹立てて。
それでもどれも実体のないもので、
どこにあたればいいかもわからず、
イラつくことにイラついて、それを越して泣けてくる。
本当は、わかってた。
恨むべきは、神様でも黒沼でも運命でもなくて、何も出来なかった自分なのだと。
線香の香りが少し移った制服に、どうしようもない何かが内側からどんどんわいてくる。
ポタリと音を立てて落ちたそれは、手紙に濃い青の円を作った。
二度目の青い手紙をそっと抱いて、濡れたまつ毛を隠すように頭を抱える。