君はいないのに今日も空は綺麗で、僕は泣いてしまった。



それと俺の母さん…

幸にとってのばあちゃんな、父さんと再婚したんだ。



幸のこと、本当の孫みたいにふたりとも可愛がってくれるんだよ。



なぁ、逢。



俺、今すごく幸せなんだ。

愛せる人がいて、愛してくれる人がいて。




『幸くん、俺と一緒に幸せにならないか?』



なんて、さながらプロポーズのような言葉で繋いだ男の子の手は、あの頃よりもずいぶん大きくなった。



毎年毎年、2月15日。


幸を連れてここに来てるから、もう幸も逢のことを俺がどう想っているのかもわかってるんだろうね。


もう少し幸が大きくなったら、俺が体験したあの不思議な日々も、君との思い出も、話すつもりなんだ。



勝手に話して、悪いな。


< 355 / 359 >

この作品をシェア

pagetop