青春日和。
第1話。
8時ちょうどに家を出て、向かいの家の前に立つ。
『だーいーちー!おーはーよっ!』
いつものようにチャイムを押さずに叫ぶとドアがゆっくり開いた。
ガチャ
「…うっさいな、朝から。」
眠そうな私の幼馴染が出てくる。
『へへ、おはよ。笑』
「おはよ…ふぁ。」
欠伸をしながら伸びをする大智の背中をたたく。
バンッ
『ほら、シャキっとシャキっと!今日は始業式クラス替えだよ!』
「イッテ。うちの高校クラス多いから面倒臭い。」
『え、あたしは楽しみだよ!』
「ま、このくされ縁が切れることを願うわ。笑」
『なによーそれ。笑』
そう、私たちの高校は15組あって、クラス替えは総入れ替えのようなもの。
でも、大智が大阪から引っ越してきた小学三年生の頃から高校二年まで、私たちはずっと同じクラスだった。
これがくされ縁というやつなのか、いつからか大智の隣にいることが、あたりまえになっていた。
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