青春日和。









今日最後の授業の5限目に、急に天気が怪しくなり、雨が降った。



授業中


あたしは子猫が心配で窓の外を眺めた。




大智の方を見ると目が合った。






〈おまえも来る?〉


口パクで大智がそう言ってきた。


あたしは頷き返事をした。












キーンコーンカーンコーン





学校が終わる。





大「木更津悪い、チャリ貸して。」

木「あーいいけど。」

大「さんきゅ。明日返す。沙奈、乗れ。」

沙「木更津、ありがとう。」



私たちは足早に学校を出た。



木「なんやろ…あいつら。笑」

結「デート…じゃ、なさそうだね。笑」




何年振りだろう。大智と自転車に乗るのは。



今朝の天気予報は晴れだった。


だから傘なんて持ってくるはずがなかった。




あたしは振り落とされないように大智の背中にしがみつく。


柔軟剤のいい香りがしたなんて言ったら気持ち悪がられるだろうな。なんて思いながら。







空き地に着くと雨はあがった。








大「ハチ!!」


大智はとっさにそう呼んだのだと思う。




ブレザーのお陰で子猫は無事だった。




『よかったー。』




自転車のカゴに子猫を入れ、あとは二人で歩いて帰った。








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