青春日和。









チャイムが鳴ると即座にみんなに取り囲まれる転校生の二人。




『ねぇねぇ、大智はどう思う?』

大「んー?なにが? 」


机に伏せているまだ眠たそうな大智の体を揺らす。



『なにってあの二人だよ!女の子も可愛いよねぇ~。』

大「あぁ、興味ない。」



大智はチラッと二人の方を見て本当に興味なさそうにまた机に伏せた。



『もー、起きてよー。』





大智の前の空いた席に座り、体を揺らしていると五十嵐くんが近づいてきた。




「広瀬…大智くん?」




その声に大智が顔を上げる。



大「…そうやけど?」


『え、大智知り合いなの?』


大「いや…。」


裕「やっぱそうだ!大阪のジュニアサッカーチームにいたよね?」


大「あぁ…小3まで。」


裕「俺も関西に住んでたことあるんだ。俺もサッカーしてて、その時にプロに最年少でスカウトされたって噂で聞いて、友達と試合見に行ったこともあるんだ!」

大「あー。そうなんや。」



そんな大智のすごい歴史を隣で聞いていて、私はただただ呆然としていた。



裕「今もサッカーを?」


大「いや…」



ここからは知ってる。大智は足を怪我してからサッカーを辞めて一年になる。ずっと戻ってこいと言われていることも私は知っている。



裕「辞めたんだ?」


悪気なく、五十嵐くんが問いかける。


大「あー、そっちは? 」


裕「俺は社会人の強豪チームに入れてもらってるんだ。名前は…」


大 「バッケス…。」


裕「そう!そのチームだよ。やっぱりよくしってるね。」




あたしはよくわからないサッカーの話題に入らないように向きを変えた。


裕「あ、ねぇ。」



その瞬間五十嵐くんに肩を叩かれた。



『え!?』


あたしはびっくりして振り向く。




裕「名前なんて言うの?」


『桜井…沙奈です。』


裕「沙奈ちゃんか。可愛いね。うちの妹とも仲良くしてやってよ。 」



か、かわいい!?


言われ慣れてない言葉でびっくりしたけど、とりあえず返事をした。



『は、はぁ…。』


大「…。」



















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