青春日和。
帰り道。
結衣と大智と三人で歩く。
『なんかさ、五十嵐兄弟ってさ…。』
結「チャラいよね。」
『だよねー!?やっぱ結衣も思った!?』
結「妹の里菜。男子にホイホイライン教えててびっくりした。」
『え、マジ!?(里菜の方か…。)』
結「五十嵐くんの方は、きになるのはピアスだけで、好青年っぽいけど?」
『えぇ…そうかな…。』
結「なに?なんか言われたの?」
『いや、別に…。』
大「かわいいって言われて喜んでんねん、こいつ。」
私たちより先を歩く大智が振り向きもせず話に入ってきた。
『は、いや、喜んでなんかないよ!!』
大「嘘つけよ、顔真っ赤にしてたくせに。」
結「えー!そうなの?やるねぇ五十嵐裕也。 」
『ちが、喜んでなんかないよ? 』
結「いいじゃん沙奈がかわいいのは本当なんだからー?」
大「はっ、かわいいのは頭の中だけやろ。」
『むっかつくー!なによそれー!!確かに勉強はちょっと出来ないかもだけど…』
そんな私に比べて、大智は頭がいいから言い返せない。
大「バッケスか…。」
大智が小声で何か呟いた。
『え?なんか言った?』
大「俺病院寄って帰るから。気ぃつけてな。」
そう言うと大智は角を曲がって行ってしまった。
結「なんか大智元気ないねぇ。」
『そう?…リハビリきついのかなぁ。』
あたしたちはその後二人でクレープを食べに行った。
私の最後の高校生活は、一体どんな一年になるのだろう。
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