青春日和。









帰り道。





結衣と大智と三人で歩く。




『なんかさ、五十嵐兄弟ってさ…。』


結「チャラいよね。」


『だよねー!?やっぱ結衣も思った!?』


結「妹の里菜。男子にホイホイライン教えててびっくりした。」


『え、マジ!?(里菜の方か…。)』


結「五十嵐くんの方は、きになるのはピアスだけで、好青年っぽいけど?」


『えぇ…そうかな…。』


結「なに?なんか言われたの?」


『いや、別に…。』



大「かわいいって言われて喜んでんねん、こいつ。」



私たちより先を歩く大智が振り向きもせず話に入ってきた。



『は、いや、喜んでなんかないよ!!』

大「嘘つけよ、顔真っ赤にしてたくせに。」

結「えー!そうなの?やるねぇ五十嵐裕也。 」

『ちが、喜んでなんかないよ? 』

結「いいじゃん沙奈がかわいいのは本当なんだからー?」

大「はっ、かわいいのは頭の中だけやろ。」


『むっかつくー!なによそれー!!確かに勉強はちょっと出来ないかもだけど…』


そんな私に比べて、大智は頭がいいから言い返せない。


大「バッケスか…。」



大智が小声で何か呟いた。



『え?なんか言った?』


大「俺病院寄って帰るから。気ぃつけてな。」





そう言うと大智は角を曲がって行ってしまった。





結「なんか大智元気ないねぇ。」


『そう?…リハビリきついのかなぁ。』





あたしたちはその後二人でクレープを食べに行った。









私の最後の高校生活は、一体どんな一年になるのだろう。







< 5 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop