輪廻ノ空-新選組異聞-
第一章 時空を超えて
教室
「ねむい…」
授業は子守歌。
机に突っ伏して、流れ込んでくる先生の言葉を右から左へと聞き流していく。
「須藤さん、次読んで」
突然の指名に眠気が飛ぶ。
慌てて立ち上がって…膝をぶつけた机が揺れて、落ちた教科書。
「今は日本史です」
近づいてきた教師の拾った教科書は「現代国語」。
すみません、と受取って、机の中から日本史の教科書を探って取り出す。
「古武道が達者との噂ですが、日本史は嫌いですか?」
誰が余計なコトを担任でもない日本史教師に吹き込んだのよ…!と、頬を膨らませる。
「父に無理矢理させられているので…」
日本史は余計に嫌いだ、とキッパリ言った。
教師は肩をすくめるようにして、音読のページを指示し、教壇へと戻った。
「文久3年(1863年)八月十八日の政変で、そん…のう…じょ、じょ…」
「尊王攘夷(そんのうじょうい)!」
「尊王攘夷を掲げる長州藩は……」
この時代、特に訳わからないよ。お父さんは妙に好きで古武道だって、この時代のせいでやらされてたような気がするんですけど……。
音読から解放されて着席。
好きでなくても、何故か同じに始めた誰よりも上達が早くて…高校三年になると同時に中極位目録を貰った。次が免許、らしい。更に指南免許をとれば先生になれると、お父さんはコーフンしてたけど…。多分、私は自分のやってる流派を漢字で書くのだっておぼつかないよ、お父さん。
「蘭子、おまえは今沖田だ!」
「とっくに起きてたよ…」
「馬鹿!父さんでも使わんような寒いオヤジギャグはやめろ」
「だってイマオキタって…」
「現代の沖田総司ってことだ」
天然理心流をやるんだ。沖田の名前ぐらいいい加減覚えろ、と何度言われただろう。
何度言われても覚えないものは覚えないよ。覚える気ないもん。
授業は子守歌。
机に突っ伏して、流れ込んでくる先生の言葉を右から左へと聞き流していく。
「須藤さん、次読んで」
突然の指名に眠気が飛ぶ。
慌てて立ち上がって…膝をぶつけた机が揺れて、落ちた教科書。
「今は日本史です」
近づいてきた教師の拾った教科書は「現代国語」。
すみません、と受取って、机の中から日本史の教科書を探って取り出す。
「古武道が達者との噂ですが、日本史は嫌いですか?」
誰が余計なコトを担任でもない日本史教師に吹き込んだのよ…!と、頬を膨らませる。
「父に無理矢理させられているので…」
日本史は余計に嫌いだ、とキッパリ言った。
教師は肩をすくめるようにして、音読のページを指示し、教壇へと戻った。
「文久3年(1863年)八月十八日の政変で、そん…のう…じょ、じょ…」
「尊王攘夷(そんのうじょうい)!」
「尊王攘夷を掲げる長州藩は……」
この時代、特に訳わからないよ。お父さんは妙に好きで古武道だって、この時代のせいでやらされてたような気がするんですけど……。
音読から解放されて着席。
好きでなくても、何故か同じに始めた誰よりも上達が早くて…高校三年になると同時に中極位目録を貰った。次が免許、らしい。更に指南免許をとれば先生になれると、お父さんはコーフンしてたけど…。多分、私は自分のやってる流派を漢字で書くのだっておぼつかないよ、お父さん。
「蘭子、おまえは今沖田だ!」
「とっくに起きてたよ…」
「馬鹿!父さんでも使わんような寒いオヤジギャグはやめろ」
「だってイマオキタって…」
「現代の沖田総司ってことだ」
天然理心流をやるんだ。沖田の名前ぐらいいい加減覚えろ、と何度言われただろう。
何度言われても覚えないものは覚えないよ。覚える気ないもん。
< 1 / 297 >