輪廻ノ空-新選組異聞-
もう明治の前は分からなくて、更にしどろもどろ。けどトシさんは顔の前で手を振って。
「ああ、もういい」
それだけ聞きゃあ、充分だ。と遮った。
「じゃあ、あの…」
と私は今度は自分が、と口を開いた。
「本当に今はブンキューですか?ミブデラとここしか見てないから実感が殆ど無くて。沖田さんがあの沖田さんで、コンドー先生がうちの宗家のひとりの近藤先生なら…ブンキューなんでしょうけど…ここは京都だから…新選組にいるんですよね、私」
「近藤さん、今芹沢さんは?」
トシさんは私の質問はまったく無視!
「あ、土方さん、芹沢さんは他出してますよ。夜は島原だって言ってました」
近藤さんより先に答えた沖田さんの言葉に、丁度良い、とトシさんは頷いて。
「道場だ」
は?と、私はサッサと立ち上がったトシさんを見上げた。
「おめぇの天然理心流をとくと見せてもらうぜ。それと、おめぇは今から男だ。気をつけろ」
ポンポン何言ってくれてるんデスか!と私は言葉も出なくて。トシさんに続いて立ち上がったコンドーさんと沖田さんにつられて立ち上がった。
「名前を」
聞いてなかったな、とトシさんが振り返って。
「………たしかに…私、大きいですね…」
コンドーさんよりかは明らかに高いし、トシさんとも余り変わらない。沖田さんだけは私より高いけど。
「んなこたぁ、いい」
名乗れと言ったんだ、とトシさんは怒ったように言って。自分は土方歳三だと名乗った。
「須藤蘭子です」
「乱れる子、か」
確かにな、と付け加えてハハッと笑われた。
「お花の蘭ですっっ!」
思いっきり言い返してやった。
「蘭丸」
男だからな、それでいいな、とトシさんは勝手に決めてしまった。
「似合いではないか。見目良いしな。蘭丸か」
コンドーさんまで同調して。
「私の事は喜ばしくも知っていたようだが、近藤勇だ」
「私も、ご存知のようですが、沖田総司です」
ふたりとも代わる代わる言うと、トシさんに続いて部屋を出て行った。私も慌てて後を追った。
「ああ、もういい」
それだけ聞きゃあ、充分だ。と遮った。
「じゃあ、あの…」
と私は今度は自分が、と口を開いた。
「本当に今はブンキューですか?ミブデラとここしか見てないから実感が殆ど無くて。沖田さんがあの沖田さんで、コンドー先生がうちの宗家のひとりの近藤先生なら…ブンキューなんでしょうけど…ここは京都だから…新選組にいるんですよね、私」
「近藤さん、今芹沢さんは?」
トシさんは私の質問はまったく無視!
「あ、土方さん、芹沢さんは他出してますよ。夜は島原だって言ってました」
近藤さんより先に答えた沖田さんの言葉に、丁度良い、とトシさんは頷いて。
「道場だ」
は?と、私はサッサと立ち上がったトシさんを見上げた。
「おめぇの天然理心流をとくと見せてもらうぜ。それと、おめぇは今から男だ。気をつけろ」
ポンポン何言ってくれてるんデスか!と私は言葉も出なくて。トシさんに続いて立ち上がったコンドーさんと沖田さんにつられて立ち上がった。
「名前を」
聞いてなかったな、とトシさんが振り返って。
「………たしかに…私、大きいですね…」
コンドーさんよりかは明らかに高いし、トシさんとも余り変わらない。沖田さんだけは私より高いけど。
「んなこたぁ、いい」
名乗れと言ったんだ、とトシさんは怒ったように言って。自分は土方歳三だと名乗った。
「須藤蘭子です」
「乱れる子、か」
確かにな、と付け加えてハハッと笑われた。
「お花の蘭ですっっ!」
思いっきり言い返してやった。
「蘭丸」
男だからな、それでいいな、とトシさんは勝手に決めてしまった。
「似合いではないか。見目良いしな。蘭丸か」
コンドーさんまで同調して。
「私の事は喜ばしくも知っていたようだが、近藤勇だ」
「私も、ご存知のようですが、沖田総司です」
ふたりとも代わる代わる言うと、トシさんに続いて部屋を出て行った。私も慌てて後を追った。