輪廻ノ空-新選組異聞-
何の恐れも見せずに、緊張するあなたを楽にする段取りまでしていた伊木さんに、沖田さんは甲を脱ぐ思いだと続け。
何だか軽薄な人に見えたけれど、真実はどんな武士より武士らしい人だったのかも知れない。近藤先生や土方さんがそうであるように…と、沖田さんは感慨深げに言った。
「とにかく、あなたへの気持ちの大きさは絶大でした。わかりますね?」
「…はい」
胸がつかえるような切ない苦しさ。最期の瞬間まで普通でいることの並みじゃない強さと…そうまでしてわたしに最期の瞬間を委ねた伊木さん。
密偵だったという真実から始まって、わたしへの気持ちの真実。
池田屋事件に繋がるような事実も明白になって、歴史の真実もまたわたしの目の前には大きく広がって。その中には沖田さんの命のこともあって…。
伊木さん。
あなたは今どんな思いですか?
死んでも魂はなくならないってわたしは信じてて。
だとしたら。
今の伊木さんには何が見えていますか?
狼狽えて滑稽でも何でも、やり遂げる事の重さと大切さと難しさを、今回の介錯で伊木さんに教えられたと思った。
それでいいんですよね…?
紗英さんのした事も…結果はお粗末なものだったけれど、彼女にとっては気持ちに従った誠で、一所懸命な、精一杯で。
伊木さんも、自分の真実に従って、この結末を迎えた。
わたしの真実は…未来から来た余所者として、ここで生き抜くこと。
沖田さんと一緒に。
みんなと一緒に。
何だか軽薄な人に見えたけれど、真実はどんな武士より武士らしい人だったのかも知れない。近藤先生や土方さんがそうであるように…と、沖田さんは感慨深げに言った。
「とにかく、あなたへの気持ちの大きさは絶大でした。わかりますね?」
「…はい」
胸がつかえるような切ない苦しさ。最期の瞬間まで普通でいることの並みじゃない強さと…そうまでしてわたしに最期の瞬間を委ねた伊木さん。
密偵だったという真実から始まって、わたしへの気持ちの真実。
池田屋事件に繋がるような事実も明白になって、歴史の真実もまたわたしの目の前には大きく広がって。その中には沖田さんの命のこともあって…。
伊木さん。
あなたは今どんな思いですか?
死んでも魂はなくならないってわたしは信じてて。
だとしたら。
今の伊木さんには何が見えていますか?
狼狽えて滑稽でも何でも、やり遂げる事の重さと大切さと難しさを、今回の介錯で伊木さんに教えられたと思った。
それでいいんですよね…?
紗英さんのした事も…結果はお粗末なものだったけれど、彼女にとっては気持ちに従った誠で、一所懸命な、精一杯で。
伊木さんも、自分の真実に従って、この結末を迎えた。
わたしの真実は…未来から来た余所者として、ここで生き抜くこと。
沖田さんと一緒に。
みんなと一緒に。