輪廻ノ空-新選組異聞-
しー…ん。

き、気まずい…。

というか…一人にされちゃった…!!

こ、言葉通じるのか…?

というか…言葉遣い大丈夫かな、私。

「どんどん見とおくれやっしゃ」

「は、はい」

私は手にしていた刀の鞘を払った。

「ぎゃっ」

と、悲鳴が上がって。
私も「ぎゃっ」と思わず腰を浮かした。

「どっち向いて抜刀しはるねや!殺す気ぃかいな!」

店主が真っ赤になって怒っていた。

「す、すみません」

私は慌てて、入ってきた入口の方に向き直って刀を見つめた。

「お若いようやし、そんな手つきで、大丈夫かいな。そないに人手に困ってはりますのんか」

「す、すみません。今のはうっかり…。私も一応剣士ですが…武士ではありませんので…」

しどろもどろになりながら弁解だよ。にしても…斬らなくて良かった…!バクバク言ってるよ、心臓が!

「腕に覚えはあるが、お武家でない…。ほな初めてまともな刀剣を腰にされるんどすな」

「はい」

しゃーないな、という呟きで締めくくった店主。とりあえず、怪しまれたりはしてないみたい。女とも思われてないみたいだし。……ちょっとそれに関しては複雑だけど。

「えーっと…。ちょっとこの刀は重いですね」

長さはいいみたいだけど…、とちょっと振ってみたりして。

「ほなこちら。今のより長いけど、すこぅし細身やさかい、重さは軽ぅなっとりますえ」

へぇ〜っと、持ち替えて驚き。
こんなに違うんだねぇ。
面白いな。

でも確か…。うちの流派では長けりゃいいって言われてなかったような…。室内戦では扱い難いって。でも…突きが得意だから…長い方がいいかなぁ…。うう、でもやっぱり…本当に斬り合うなら、突きは使いたくない。失敗したら死ぬ…。手を落とされたり……

さーっと、血の気が引いた。
遊び半分で選んでちゃダメだよ。真剣に選ばないと…!




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