輪廻ノ空-新選組異聞-
頭を下げたまま、向かいに立つ沖田さんの方を見たら、袴はずぶ濡れで…。
「本当に申し訳ありませんでした!川で流されていた子供を助けて、そのまま、その子を送り届けた先で、帰して貰えず、ご心配をおかけ致しました」
更に腰を折って詫びた。
もし、逆の立場だったら…わたしも死ぬほど心配したと思う。
沖田さんからしたら、わたしはこの世界にはまだまだ不案内で、時々言葉の単語も通じない頼りない存在なんだから、尚更。
頭を下げたまま、顔を上げられずにいたら、沖田さんが肩を叩いて。
「反省してくれたなら良いです。こうして無事でしたし」
穏やかな声が言ってくれた。
沖田さんは更に手を伸べて、わたしの左頬に指先をあてた。
「…すみませんでした。感情に走って無体なことを。痛かったでしょう」
低い低い声。
冷たい指先を、わたしは自分の手で包み込み、握って、首を振った。
沖田さんが本当に激情に任せて手を上げたなら、わたしは殴り飛ばされてた筈。
けれど、顔すら弾かれて横向くこともなかった。寸前で止まろうとしてくれたから。
「とにかく、土方さんのところに復命に行きなさい。ずっと待ってますから」
沖田さんはわたしの手を握り返してくれながら告げて。
わたしは頷くと山崎さんと一緒に副長室に向かった。
「本当に申し訳ありませんでした!川で流されていた子供を助けて、そのまま、その子を送り届けた先で、帰して貰えず、ご心配をおかけ致しました」
更に腰を折って詫びた。
もし、逆の立場だったら…わたしも死ぬほど心配したと思う。
沖田さんからしたら、わたしはこの世界にはまだまだ不案内で、時々言葉の単語も通じない頼りない存在なんだから、尚更。
頭を下げたまま、顔を上げられずにいたら、沖田さんが肩を叩いて。
「反省してくれたなら良いです。こうして無事でしたし」
穏やかな声が言ってくれた。
沖田さんは更に手を伸べて、わたしの左頬に指先をあてた。
「…すみませんでした。感情に走って無体なことを。痛かったでしょう」
低い低い声。
冷たい指先を、わたしは自分の手で包み込み、握って、首を振った。
沖田さんが本当に激情に任せて手を上げたなら、わたしは殴り飛ばされてた筈。
けれど、顔すら弾かれて横向くこともなかった。寸前で止まろうとしてくれたから。
「とにかく、土方さんのところに復命に行きなさい。ずっと待ってますから」
沖田さんはわたしの手を握り返してくれながら告げて。
わたしは頷くと山崎さんと一緒に副長室に向かった。