輪廻ノ空-新選組異聞-
ポカーンと馬鹿な顔をしてたと思う。
けど、まったく予想もしてなかった事が起きると、人間って本当に真っ白になる。
「おい」
額を指で小突かれた。
「はっ」
我に返る。
「よく分からない言葉が聞こえた」
そう答えたら、何度でも言うてやる、と坂本さんは続けた。
「別ん時代から来たがじゃろ」
ちょっ…
マジですか…!?
でも、認める訳にはいかない。
敵方の人。
利用しようという考えが湧かないとも言えない。
でも、本当に見えてるなら、違うと言い切るのも難しい。
「ご想像にお任せします…」
わたしは苦し紛れに言って、もう逃げようと回れ右をした。
「おっ、待っとーせ!!」
肩を掴まれた。
「宮部さんとこの小遣いさん捕まって以来、壬生狼も過激派も不穏に動いちょる」
真剣な顔。
思わず足を止めて、しっかり向き合った。
「わしは暴力反対じゃ。ええ人材を無くす上に、恨みしか生まんぜよ」
じゃけんど、わしを慕うてくれよる若手も血気にはやっちょる状態じゃ。と、坂本さんは情けなさそうな顔で肩を落とした。
「こうなったら未然に取り締うて貰うのが一番ながじゃ」
自分は京を離れないといけないから何とか最善の策を頼む、と坂本さんはわたしに頭を下げたのだった。
そして、自分からサッサと立ち去って行った。
けど、まったく予想もしてなかった事が起きると、人間って本当に真っ白になる。
「おい」
額を指で小突かれた。
「はっ」
我に返る。
「よく分からない言葉が聞こえた」
そう答えたら、何度でも言うてやる、と坂本さんは続けた。
「別ん時代から来たがじゃろ」
ちょっ…
マジですか…!?
でも、認める訳にはいかない。
敵方の人。
利用しようという考えが湧かないとも言えない。
でも、本当に見えてるなら、違うと言い切るのも難しい。
「ご想像にお任せします…」
わたしは苦し紛れに言って、もう逃げようと回れ右をした。
「おっ、待っとーせ!!」
肩を掴まれた。
「宮部さんとこの小遣いさん捕まって以来、壬生狼も過激派も不穏に動いちょる」
真剣な顔。
思わず足を止めて、しっかり向き合った。
「わしは暴力反対じゃ。ええ人材を無くす上に、恨みしか生まんぜよ」
じゃけんど、わしを慕うてくれよる若手も血気にはやっちょる状態じゃ。と、坂本さんは情けなさそうな顔で肩を落とした。
「こうなったら未然に取り締うて貰うのが一番ながじゃ」
自分は京を離れないといけないから何とか最善の策を頼む、と坂本さんはわたしに頭を下げたのだった。
そして、自分からサッサと立ち去って行った。