輪廻ノ空-新選組異聞-
「あなたは無茶を無茶と気付かず行う事が多いし、巻き込まれる事も多いような気配で、心配だ」
少し早口に、淡々と紡がれる言葉を、わたしは黙って聞く。
「でも、忘れないで下さい。あなたは、あなただけのあなたではないんです」
更にギュッと限界まで抱き寄せ、抱き締められて。
「私の…、蘭子さんでもあるんですよ」
「…っ!!」
心臓が止まりそうなぐらい跳ねた。
蘭子。
そう呼んでくれる家族も友達もいない世界。
自分でもそれを捨て去って生きる覚悟を決めて。
久しく思い出すことも、もちろん耳にすることも、呼ばれることもなかった、わたしの名前。
それを…
誰でもない、沖田さんが…
沖田さんが…
呼んでくれた。
覚えていてくれた。
そうやって想っていてくれた。
蘭子、と。
「う……」
胸がいっぱいになって。
喉の奥がひどく詰まって。
溢れだしてくる…感動って言うのかな…。なんだろう…とても言葉には出来ないけれど…。いっぱいの何かが嗚咽になって、涙がこぼれそうになった。
たまらなく愛しいと、自分を抱きしめてくれる、このぬくもりを持つ人を、誰よりも、どの世界の誰よりも愛しくてたまらないと思った。
「自分をもっと、大切にして下さいね」
と沖田さんはわたしの髪に唇を埋めて告げる。
「もし、あなたが私と同じように、私を想ってくれているなら」
と、続いた言葉に慌てて顔を上げた。
「もちろんです!!」
わたしだって沖田さんを…
「沖…、…総司さん、愛しています」
わたしは瞳と瞳を合わせて、心からの言葉を告げた。
少し早口に、淡々と紡がれる言葉を、わたしは黙って聞く。
「でも、忘れないで下さい。あなたは、あなただけのあなたではないんです」
更にギュッと限界まで抱き寄せ、抱き締められて。
「私の…、蘭子さんでもあるんですよ」
「…っ!!」
心臓が止まりそうなぐらい跳ねた。
蘭子。
そう呼んでくれる家族も友達もいない世界。
自分でもそれを捨て去って生きる覚悟を決めて。
久しく思い出すことも、もちろん耳にすることも、呼ばれることもなかった、わたしの名前。
それを…
誰でもない、沖田さんが…
沖田さんが…
呼んでくれた。
覚えていてくれた。
そうやって想っていてくれた。
蘭子、と。
「う……」
胸がいっぱいになって。
喉の奥がひどく詰まって。
溢れだしてくる…感動って言うのかな…。なんだろう…とても言葉には出来ないけれど…。いっぱいの何かが嗚咽になって、涙がこぼれそうになった。
たまらなく愛しいと、自分を抱きしめてくれる、このぬくもりを持つ人を、誰よりも、どの世界の誰よりも愛しくてたまらないと思った。
「自分をもっと、大切にして下さいね」
と沖田さんはわたしの髪に唇を埋めて告げる。
「もし、あなたが私と同じように、私を想ってくれているなら」
と、続いた言葉に慌てて顔を上げた。
「もちろんです!!」
わたしだって沖田さんを…
「沖…、…総司さん、愛しています」
わたしは瞳と瞳を合わせて、心からの言葉を告げた。