輪廻ノ空-新選組異聞-
……なんか?
「なんか、って何ですか?」
わたしは自分を卑下した沖田さんの言葉を聞き逃さなかった。
「沖田さんなんか、ではありません!!沖田さんだからこそ、です!!」
わたしは勿論、近藤先生や土方さん、試衛館からのみんながどんなに沖田さんを慕い、大切に思っているか!
「ええ。分かっています。分かってはいますが…」
改めて嬉しくて感謝の気持ちなのだと、沖田さんは微笑んだ。
「幼い頃、九つでした。家計が苦しかったので幼心にも理解はしていましたが、口減らしの為に沖田の家を出されて試衛館に一人置いて行かれた時は…」
捨てられたのだと、いらぬ人間なのだと思いました。
と、沖田さんは遠い目をした。
そんな過去があったんだ…。
自分に置き換えても、想像の及ばない経験。
「自分に自信が持てないから、剣術の鍛錬に励みました」
続いた沖田さんの言葉に、わたしは思わず笑みを浮かべてた。
「ご家族にも愛されてるじゃないですか!試衛館に預けて貰えたんですから!本当にいらないなら他にもっと酷い所に売られていたかも知れません!」
「ええ。…そうですよね、本当に」
勿論それも分かっているという表情で頷いた。
「でも…小さい時の辛い経験は大きいですよね…」
だからわたしが…
「それを消しちゃうぐらい沖田さんを愛します!!」
しん、と沈黙が落ちた。
は!
恥ずかし過ぎる事言っちゃってドン引きされた…?
恐る恐る沖田さんの顔を見る。
その顔は…
見たことのない表情で。
笑もうとしているのに、泣き出してしまいそうな…。
見る間に顔が真っ赤になって。
それに気付いたのか、パッと顔を伏せた。
「あなたって人は…」
低い声。
何かに耐えるような。
「もう、知りませんよ」
上げられたら顔は、打って変わって怒ったような顔で。
わたしは思わず膝で一歩後ずさりしてた。
「なんか、って何ですか?」
わたしは自分を卑下した沖田さんの言葉を聞き逃さなかった。
「沖田さんなんか、ではありません!!沖田さんだからこそ、です!!」
わたしは勿論、近藤先生や土方さん、試衛館からのみんながどんなに沖田さんを慕い、大切に思っているか!
「ええ。分かっています。分かってはいますが…」
改めて嬉しくて感謝の気持ちなのだと、沖田さんは微笑んだ。
「幼い頃、九つでした。家計が苦しかったので幼心にも理解はしていましたが、口減らしの為に沖田の家を出されて試衛館に一人置いて行かれた時は…」
捨てられたのだと、いらぬ人間なのだと思いました。
と、沖田さんは遠い目をした。
そんな過去があったんだ…。
自分に置き換えても、想像の及ばない経験。
「自分に自信が持てないから、剣術の鍛錬に励みました」
続いた沖田さんの言葉に、わたしは思わず笑みを浮かべてた。
「ご家族にも愛されてるじゃないですか!試衛館に預けて貰えたんですから!本当にいらないなら他にもっと酷い所に売られていたかも知れません!」
「ええ。…そうですよね、本当に」
勿論それも分かっているという表情で頷いた。
「でも…小さい時の辛い経験は大きいですよね…」
だからわたしが…
「それを消しちゃうぐらい沖田さんを愛します!!」
しん、と沈黙が落ちた。
は!
恥ずかし過ぎる事言っちゃってドン引きされた…?
恐る恐る沖田さんの顔を見る。
その顔は…
見たことのない表情で。
笑もうとしているのに、泣き出してしまいそうな…。
見る間に顔が真っ赤になって。
それに気付いたのか、パッと顔を伏せた。
「あなたって人は…」
低い声。
何かに耐えるような。
「もう、知りませんよ」
上げられたら顔は、打って変わって怒ったような顔で。
わたしは思わず膝で一歩後ずさりしてた。