輪廻ノ空-新選組異聞-
「大丈夫ですか!!」
幹部部屋の中庭まで来ると、私の血まみれの肘を見て。
「すぐに傷が塞がってしまうのを見られてはいけないと、乱暴しましたね」
すみません、と頭を下げて。
何だか激しく動いたせいか気分は悪いけど…
傷自体は大丈夫だと返事をさせてもくれない慌ただしさで、沖田さんは水を汲んで来ますと、中庭を出て行った。
ポカンと見送るわたしの背後で障子が開いた。
「騒々しいな」
土方さんが眉間にシワを刻んで顔を出した。
「えれぇ血じゃねぇか」
途端にわたしの胴着を見て声を大きくした。
「沖田さんと地稽古をしたんですが、倒された時に肘がズル剥けになったみたいです」
もう血は出ていない肘をさすりながら答えて、苦笑いを向けた。
「まだまだ沖田さんの足元にも及びません」
言うわたしの顔を、土方さんはまじまじと見つめてくる。
「?」
「顔が真っ白だ」
「あー…、気分が悪いからかも…」
頭の奥がくらくらする気もするけど、だんだん胸の奥の方というか、喉の奥が吐き気に変わってきた。
すぅっと意識が急に真っ白な世界に吸い込まれたような眩暈を感じた瞬間、真っ暗になってた。
「気がつきましたか!?」
「ん…」
心配そうに覗きこむ沖田さんの顔が見えた。
「沖田さん…?」
えーっと?
どうしたんだっけ?
「ここは…」
と、幾分覚醒した意識で再び口を開いたんだけど…
「うっ、酒臭っ」
何、わたし、自分が臭い!
「土方さん!どれだけ飲ませたんですか!」
怒った沖田さんの声が、二日酔いみたいな頭に響くよ。
幹部部屋の中庭まで来ると、私の血まみれの肘を見て。
「すぐに傷が塞がってしまうのを見られてはいけないと、乱暴しましたね」
すみません、と頭を下げて。
何だか激しく動いたせいか気分は悪いけど…
傷自体は大丈夫だと返事をさせてもくれない慌ただしさで、沖田さんは水を汲んで来ますと、中庭を出て行った。
ポカンと見送るわたしの背後で障子が開いた。
「騒々しいな」
土方さんが眉間にシワを刻んで顔を出した。
「えれぇ血じゃねぇか」
途端にわたしの胴着を見て声を大きくした。
「沖田さんと地稽古をしたんですが、倒された時に肘がズル剥けになったみたいです」
もう血は出ていない肘をさすりながら答えて、苦笑いを向けた。
「まだまだ沖田さんの足元にも及びません」
言うわたしの顔を、土方さんはまじまじと見つめてくる。
「?」
「顔が真っ白だ」
「あー…、気分が悪いからかも…」
頭の奥がくらくらする気もするけど、だんだん胸の奥の方というか、喉の奥が吐き気に変わってきた。
すぅっと意識が急に真っ白な世界に吸い込まれたような眩暈を感じた瞬間、真っ暗になってた。
「気がつきましたか!?」
「ん…」
心配そうに覗きこむ沖田さんの顔が見えた。
「沖田さん…?」
えーっと?
どうしたんだっけ?
「ここは…」
と、幾分覚醒した意識で再び口を開いたんだけど…
「うっ、酒臭っ」
何、わたし、自分が臭い!
「土方さん!どれだけ飲ませたんですか!」
怒った沖田さんの声が、二日酔いみたいな頭に響くよ。