輪廻ノ空-新選組異聞-
「どんだけって、たったの三口だがな!」
「三回も…」
三口とか三回とか何のことだか…。けどお酒を飲んだのは確かみたいで。
「蘭丸。副長室の前で気を失ったあなたは、石田散薬を飲んだんですよ。お酒で飲むと効き目が良い薬なのです」
「はぁ、そうでしたか。ご迷惑をおかけしました」
戦争を前に、忙しい時なのに…。しょんぼりしちゃうよ。
「どうやら肘だけでなく、頭も強く打っていたようで、それで気絶を」
加減をしなかった私のせいです。
沖田さんは頭を下げて詫びてくれたんだけど…
「謝らないで下さい!!」
だって、きちんと受け身を取れなかったわたしが悪い。
もし実戦だったら、倒れた所に石があって、頭を割って死んでたかも知れないんだ。
「それに、加減なんかされても嬉しくないです!」
わたしは言い募ってた。
「いつだって、沖田さんを目指していて、同じ目線でいたい!」
興奮したら頭痛が酷くなった。
でも沖田さんが謝るのは違うよ。
だから、一所懸命だった。
「蘭丸…」
沖田さんは何だか泣き出しそうな、そんな瞳になって。でも笑みを向けてくれて。
「分をわきまえない大それた気持ちかも知れません。女だし、剣術の殆ど廃れた戦も何もないところで生まれ育って」
でも、いつも沖田さんは目標です。
「よく言った!!」
土方さんが大きな声で言い放った。
「総司、剣士冥利に尽きるじゃねぇか。見事な女丈夫だ」
女のところは小声にして言った土方さんは、わたしの肩を叩いた。
「まだ暫くは動かねぇ方がいいだろう。ここで休んでおけ」
「はい、ありがとうございます。ご迷惑をおかけします」
「総司、おめぇも気になるなら今夜はここで添い寝していいぜ」
土方さんはにやにや笑いながら言って、今度は沖田さんの肩を叩いた。
「副長、会津本陣から至急参上するようにと」
平隊士が駆けてきて告げた。
「分かった」
軽く答えた土方さんは大小の刀を刀掛けから取ると、腰にさして、羽織りを手に室を足早に出て行った。
「三回も…」
三口とか三回とか何のことだか…。けどお酒を飲んだのは確かみたいで。
「蘭丸。副長室の前で気を失ったあなたは、石田散薬を飲んだんですよ。お酒で飲むと効き目が良い薬なのです」
「はぁ、そうでしたか。ご迷惑をおかけしました」
戦争を前に、忙しい時なのに…。しょんぼりしちゃうよ。
「どうやら肘だけでなく、頭も強く打っていたようで、それで気絶を」
加減をしなかった私のせいです。
沖田さんは頭を下げて詫びてくれたんだけど…
「謝らないで下さい!!」
だって、きちんと受け身を取れなかったわたしが悪い。
もし実戦だったら、倒れた所に石があって、頭を割って死んでたかも知れないんだ。
「それに、加減なんかされても嬉しくないです!」
わたしは言い募ってた。
「いつだって、沖田さんを目指していて、同じ目線でいたい!」
興奮したら頭痛が酷くなった。
でも沖田さんが謝るのは違うよ。
だから、一所懸命だった。
「蘭丸…」
沖田さんは何だか泣き出しそうな、そんな瞳になって。でも笑みを向けてくれて。
「分をわきまえない大それた気持ちかも知れません。女だし、剣術の殆ど廃れた戦も何もないところで生まれ育って」
でも、いつも沖田さんは目標です。
「よく言った!!」
土方さんが大きな声で言い放った。
「総司、剣士冥利に尽きるじゃねぇか。見事な女丈夫だ」
女のところは小声にして言った土方さんは、わたしの肩を叩いた。
「まだ暫くは動かねぇ方がいいだろう。ここで休んでおけ」
「はい、ありがとうございます。ご迷惑をおかけします」
「総司、おめぇも気になるなら今夜はここで添い寝していいぜ」
土方さんはにやにや笑いながら言って、今度は沖田さんの肩を叩いた。
「副長、会津本陣から至急参上するようにと」
平隊士が駆けてきて告げた。
「分かった」
軽く答えた土方さんは大小の刀を刀掛けから取ると、腰にさして、羽織りを手に室を足早に出て行った。