輪廻ノ空-新選組異聞-

ばっちり記憶している年表。

それによると…

来年の春には西本願寺に引っ越しをするんだ。

だから、それまではここ壬生の前川邸、そして八木さんの所でお世話になる訳だけど。

色々整理しないと、隊士が増えたら秩序が保てなさそう…。



今は、局長、副長、副長助勤という幹部がいて、巡察のときに隊士を振り分けるのに困るからって、便宜上一番隊から十番隊に分けて、助勤がそれを引率する形。


わたしは監察方に異動になったから、寝たり、着替えたりに困っていないけれど…。一番隊のままでいたら…ぎゅうぎゅうで寝る事になって大変だっただろうと思う。

でも、やっぱり一番ぐっすり眠れるのは…
島原の明里さんの所だな。

女性で、唯一わたしが女子だと知っていて、とっても気の合う友達になった。

サンナンさんの恋人で。コイバナにも花が咲く。


あっ、もちろん…沖田さんの隣でも…わたしは、わたしで居られるから…。

でも…ね、まだ2回しか…その、ないけど…睡眠時間が短くなるから、ね。


なんて思い出してたら顔が熱くなってしまった…っ。

「熱でも出ましたか?」

「ぎゃっ」

えっちな事を考えていたら、突然沖田さんに顔を覗き込まれて、飛び上がりそうになった。

「いっ、いえっ!だ、だだ大丈夫です!」

ろれつが回らず、しかも目の前の沖田さんの色んな事を思い出していたせいで、余計にほっぺたが燃えた。

「けれど…まぁ、見事にゆでダコになっちまって…」

苦笑を向けられ、おでこにかかった前髪をくしゃっと混ぜられる。

「何を考えていたんです?」

と、問われて…。

どんなに言い繕っても…こんなに真っ赤になっているのは隠し通せない…よね…。

と、しばらく沈黙して考えていたんだけど…。

正直に白状した。

「沖田さん…………の、事を…」

「ん?」

私のこと?と、沖田さんはちょっと首をかしいで。

「それでそんなに真っ赤に?」

と、わたしの顔をまたマジマジと覗き込んで。

そして…

まるで、わたしの熱が伝染したかのように、沖田さんまで真っ赤に顔を上気させ始めた。





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