輪廻ノ空-新選組異聞-
「須藤」
齋藤さんがドスのきいた声で私の名前を…。
「は、はい!」
「足は大丈夫か?」
えっと…。
あっ、さっき踏まれた足ね。
ズキズキはしているけれど、痛いという程ではないし、そのように答えたら頷いて。
「折角お主と総司のことを穏便に公然の秘密だと伝えようとしているのに、言葉も知らぬのか?」
「義兄弟の契り…ですか?」
うむ、と斎藤さんは頷いた。
「念友という言葉は知ってますが」
これは散々聞かされたからだ。周囲で衆道が流行って、その言葉も一緒に耳に入ってくることが多かったから。
「伊東さんは文学師範だろう。文学的な表現にした方が株が上がる。そして今後の為にも良い布石となろうが」
「はぁ」
と、よく分からなくて生返事するしかない。
でも、助けて下さったことは本当によくわかった。
「齋藤さん、本当にありがとうございました。とにかく助かりました!」
私が深々と礼をすると、齋藤さんは珍しく少しだけ微笑して一歩下がった。
「俺は稽古に戻ろう。お主はもう明日の夕刻まで非番なのだろう?確か総司も今行っている巡察から戻ったら、近藤先生の休息所の掃除と片づけの仕上げに行くと聞いている」
はい、と私は笑顔を頷かせた。
「でも沖田さんが戻るまで稽古に参加させて下さい!」
私の言葉に齋藤さんは「無論だ」と頷いた。
道場に戻ると再び活気ある稽古が再開!
伊東先生の不穏な気配も戻ってこず、私も安心して稽古に励んだ。
齋藤さんがドスのきいた声で私の名前を…。
「は、はい!」
「足は大丈夫か?」
えっと…。
あっ、さっき踏まれた足ね。
ズキズキはしているけれど、痛いという程ではないし、そのように答えたら頷いて。
「折角お主と総司のことを穏便に公然の秘密だと伝えようとしているのに、言葉も知らぬのか?」
「義兄弟の契り…ですか?」
うむ、と斎藤さんは頷いた。
「念友という言葉は知ってますが」
これは散々聞かされたからだ。周囲で衆道が流行って、その言葉も一緒に耳に入ってくることが多かったから。
「伊東さんは文学師範だろう。文学的な表現にした方が株が上がる。そして今後の為にも良い布石となろうが」
「はぁ」
と、よく分からなくて生返事するしかない。
でも、助けて下さったことは本当によくわかった。
「齋藤さん、本当にありがとうございました。とにかく助かりました!」
私が深々と礼をすると、齋藤さんは珍しく少しだけ微笑して一歩下がった。
「俺は稽古に戻ろう。お主はもう明日の夕刻まで非番なのだろう?確か総司も今行っている巡察から戻ったら、近藤先生の休息所の掃除と片づけの仕上げに行くと聞いている」
はい、と私は笑顔を頷かせた。
「でも沖田さんが戻るまで稽古に参加させて下さい!」
私の言葉に齋藤さんは「無論だ」と頷いた。
道場に戻ると再び活気ある稽古が再開!
伊東先生の不穏な気配も戻ってこず、私も安心して稽古に励んだ。