輪廻ノ空-新選組異聞-
沖田さんは、ハッとしたような表情になって。
それまで肩にしがみついてた体勢からも慌てて離れて。
「あの…」
わたしは口を開いた。
「簡単に年表を書いた紙が出てきて…」
沖田さんだったら、見せてくれとか…そういう事は言わないだろうって確信があって告げた。
「そうでしたか…」
でも、とわたしは言葉を継いだ。
「知っていても、知らなくても、わたしは沖田さんの味方ですよ。いつでも。ずっと」
沖田さんは言ってくれた。
いつでも、一番のわたしの味方だって。
「わたしだってそうです」
って続けたら、微笑んで頷いてくれた。
「心強いです。ありがとう」
その言葉にわたしも思わず笑顔を返した。素直に嬉しくて。
「それじゃあ…あなたは室に戻って下さい。まだまだ刻限まで間がありますからね。気にせず休んで下さい」
「はい」
気にせず…は無理だろうけど、と心の中で呟きながらも、わたしは沖田さんの部屋を出た。濡縁は雨で端がぬれて色を濃くしてる。さっきまでより激しくなったような気のする雨。寒気が覚えて、ブルッと体が震えた。
わたしは自分の布団に戻って、ひとつだけ灯した行灯の光で年表をじっくりと、隅々まで読んで、そして頭に叩き込んだ。
これからの流れを知って、わたしは新しいスタートを切る。
もっともっと深くこの時代に、皆に関わって生きていきたいから。
また強くなったな…雨音。
ふと感じた、何か大きな雨と空気の流れ。
すぐに、室の外に人影。
「行って参ります」
沖田さんの小さく低い声。
「行ってらっしゃい」
私も小さく返した。
それまで肩にしがみついてた体勢からも慌てて離れて。
「あの…」
わたしは口を開いた。
「簡単に年表を書いた紙が出てきて…」
沖田さんだったら、見せてくれとか…そういう事は言わないだろうって確信があって告げた。
「そうでしたか…」
でも、とわたしは言葉を継いだ。
「知っていても、知らなくても、わたしは沖田さんの味方ですよ。いつでも。ずっと」
沖田さんは言ってくれた。
いつでも、一番のわたしの味方だって。
「わたしだってそうです」
って続けたら、微笑んで頷いてくれた。
「心強いです。ありがとう」
その言葉にわたしも思わず笑顔を返した。素直に嬉しくて。
「それじゃあ…あなたは室に戻って下さい。まだまだ刻限まで間がありますからね。気にせず休んで下さい」
「はい」
気にせず…は無理だろうけど、と心の中で呟きながらも、わたしは沖田さんの部屋を出た。濡縁は雨で端がぬれて色を濃くしてる。さっきまでより激しくなったような気のする雨。寒気が覚えて、ブルッと体が震えた。
わたしは自分の布団に戻って、ひとつだけ灯した行灯の光で年表をじっくりと、隅々まで読んで、そして頭に叩き込んだ。
これからの流れを知って、わたしは新しいスタートを切る。
もっともっと深くこの時代に、皆に関わって生きていきたいから。
また強くなったな…雨音。
ふと感じた、何か大きな雨と空気の流れ。
すぐに、室の外に人影。
「行って参ります」
沖田さんの小さく低い声。
「行ってらっしゃい」
私も小さく返した。