輪廻ノ空-新選組異聞-
ブハッ!!
「わっ、汚い」
持って行ったお茶を、盛大に吹き出した土方副長。
「お、おめぇはソレを……総司に聞いたのか?」
「だって、沖田さんが聞いてくれたのです。困っていることはないかと。何でも言って良いと」
わたしは、新年の挨拶も兼ねて、元日早朝の巡察を終えると、皆にお節料理を出して、お雑煮も配って、と一通りの用事を済ませてから、聞きたい事もあったから土方さんの元を訪ねた。
「月の障りか。おなごの体調や心の揺らぎで不規則になるんだろ。それかも知れねぇが…もう4ヶ月になるんだな…。ちぃと長いかも知れんな?おめぇはもうこっちには殆ど慣れてるだろ?」
「ですね……。あっ、それと」
と、私は言葉を継いだ。
「沖田さんが、わたしだけがバレてしまうのは不公平だからと教えて下さったんですが…筆下ろしって何ですか?まだっておっしゃってたんですけど…」
「…………」
しばしの沈黙の後…
「あっはっはっは!」
土方副長は堪りかねたように大声で笑い出した。
「おめぇは生娘(おぼこ)か。総司の筆下ろしがまだなのは知ってるさ」
「オボコって何ですか…!もう…。わかるように説明して下さい」
何となく分かるような気はするけれど…曖昧な知識じゃなくって、ちゃんと知っておきたい。
「つまりだな、おめぇも総司もまぐわった事がねぇ。どちらも異性と身体を繋いだ事がないってことだ」
総司の奴、こんな話をさせられて、気の毒にな、とも言って。
「総司はおなごが嫌いだからな。苦手で嫌い。それがそこまで言えたんなら…それはおめぇの手柄だ」
「女嫌い……。」
あんまり土方さんの言葉は耳に入ってなくて…。ただその事が胸を刺した。
「わっ、汚い」
持って行ったお茶を、盛大に吹き出した土方副長。
「お、おめぇはソレを……総司に聞いたのか?」
「だって、沖田さんが聞いてくれたのです。困っていることはないかと。何でも言って良いと」
わたしは、新年の挨拶も兼ねて、元日早朝の巡察を終えると、皆にお節料理を出して、お雑煮も配って、と一通りの用事を済ませてから、聞きたい事もあったから土方さんの元を訪ねた。
「月の障りか。おなごの体調や心の揺らぎで不規則になるんだろ。それかも知れねぇが…もう4ヶ月になるんだな…。ちぃと長いかも知れんな?おめぇはもうこっちには殆ど慣れてるだろ?」
「ですね……。あっ、それと」
と、私は言葉を継いだ。
「沖田さんが、わたしだけがバレてしまうのは不公平だからと教えて下さったんですが…筆下ろしって何ですか?まだっておっしゃってたんですけど…」
「…………」
しばしの沈黙の後…
「あっはっはっは!」
土方副長は堪りかねたように大声で笑い出した。
「おめぇは生娘(おぼこ)か。総司の筆下ろしがまだなのは知ってるさ」
「オボコって何ですか…!もう…。わかるように説明して下さい」
何となく分かるような気はするけれど…曖昧な知識じゃなくって、ちゃんと知っておきたい。
「つまりだな、おめぇも総司もまぐわった事がねぇ。どちらも異性と身体を繋いだ事がないってことだ」
総司の奴、こんな話をさせられて、気の毒にな、とも言って。
「総司はおなごが嫌いだからな。苦手で嫌い。それがそこまで言えたんなら…それはおめぇの手柄だ」
「女嫌い……。」
あんまり土方さんの言葉は耳に入ってなくて…。ただその事が胸を刺した。