輪廻ノ空-新選組異聞-
「うわっ!」
道場を出ながら大刀を腰に手挟んでいるところに、突然伊木さんが現れて、思わず大きな声を上げてしまった…!
「まだこんな所にいたんですか!びっくりさせないで下さいっ」
先に行っててくれって言ったのに…、とブツブツ言ってると
「通り道が違たら会われんやろ」
「八坂さんなんて、四条通のどん詰まり。四条通さえ歩いてれば会えますよ!」
わたしの呆れた言葉に、伊木さんは額を掻いて。
「すっぽかされてもいかんと思うたのや」
「約束をすっぽかしたりしません!失礼だな」
ほっぺたを思わず膨らませる。
「堪忍、堪忍」
へこへこ謝る伊木さんを尻目に、サッサと四条通に向かって坊城通を北上し始める。
「待ちぃや」
慌てて追い掛けてくる伊木さん。
何か憎めないんだよね。
四条通は現代と違って、メインストリートではないみたいで、普段は圧倒的に東からの京の入り口になってる三条大橋から始まる三条通が賑わってる。四条通の方が細いし、人も多くない。
でも今日は元日。
八坂さんへの初詣目当てらしい人がたくさん。
私は昨夜から今朝にかけて、沖田さんと済ませたんだけどなぁ…。
「八郎さん、八坂さんには何をしに?」
「初詣や」
「私は沖田さんと済ませてますよ」
「何度詣ってもバチは当たらんやろ」
「まぁ、いいですけど」
道場を出ながら大刀を腰に手挟んでいるところに、突然伊木さんが現れて、思わず大きな声を上げてしまった…!
「まだこんな所にいたんですか!びっくりさせないで下さいっ」
先に行っててくれって言ったのに…、とブツブツ言ってると
「通り道が違たら会われんやろ」
「八坂さんなんて、四条通のどん詰まり。四条通さえ歩いてれば会えますよ!」
わたしの呆れた言葉に、伊木さんは額を掻いて。
「すっぽかされてもいかんと思うたのや」
「約束をすっぽかしたりしません!失礼だな」
ほっぺたを思わず膨らませる。
「堪忍、堪忍」
へこへこ謝る伊木さんを尻目に、サッサと四条通に向かって坊城通を北上し始める。
「待ちぃや」
慌てて追い掛けてくる伊木さん。
何か憎めないんだよね。
四条通は現代と違って、メインストリートではないみたいで、普段は圧倒的に東からの京の入り口になってる三条大橋から始まる三条通が賑わってる。四条通の方が細いし、人も多くない。
でも今日は元日。
八坂さんへの初詣目当てらしい人がたくさん。
私は昨夜から今朝にかけて、沖田さんと済ませたんだけどなぁ…。
「八郎さん、八坂さんには何をしに?」
「初詣や」
「私は沖田さんと済ませてますよ」
「何度詣ってもバチは当たらんやろ」
「まぁ、いいですけど」