輪廻ノ空-新選組異聞-
成就
一番隊の巡察後に沖田さんと壬生寺で落ち合うことになって。
わたしは待ってる間、壬生寺でいつも沖田さんと遊んでるこども達と鬼ごっこをすることにした。
伊木さんも同じく二日間の休みで、一緒に過ごそうとか言って来たけど断った。
「二人きりで夫婦の稽古が出来る貴重な休みやで」
とか言ってさ!
「明後日から最低十日は二人きりなのに、休みまで二人きりなんて勘弁して下さい!」
「ぶっつけ本番で大丈夫なんかいな」
「あのねぇ、男がおなごの格好して過ごさなくてはならない屈辱がわかりますか!なんでそれを二日も早めなくてはいけないんですか!」
と、怒りも露に断ったら諦めてくれた。
ふぅ。
「蘭はん、次、鬼~!」
「小太郎くん、足速いなぁ」
けっこう本気出してるのにさ!
「じゃあ行くぞー!皆逃げろ!本気で捕まえるからな!」
きゃあ~、と散らばるこども達。
「本気やなんて、蘭はんおとなげ無い~」
「うるさい!」
きゃっきゃと楽しそうに境内を逃げて行く。
「あ、沖田はーん!」
や、やっと…!
こども達が山門の方に駆けていくのを見て地面に座り込んだ。
「随分お疲れみたいですね」
笑いながらの声が降ってきた。
「蘭はん本気で追い掛け回さはるんやもん」
おとなやのに子供みたいや、と口々に続く言葉にも反撃出来ない。息が上がって。ハァハァ。
「次は沖田はん、遊んで!」
「いやいや、すまない小太郎。私は蘭丸と用事があるからね。また明日」
「え~」
ってこども達から不満の声。
元気だなぁ。わたしも相当鍛えてるのに。
「ほんまに明日遊んでな?」
「わかった」
約束を取り付けたこど達は安心したのか、それぞれに散って行った。
「蘭丸、大丈夫ですか?休憩しなくてはいけませんね」
屈んでわたしの顔をのぞきこんだ沖田さん。
「こどもにも手加減しないなんて…」
目と目が合って。
ぷっ、と沖田さんは吹き出した。
「あなたらしい。真っ直ぐですね。でもちゃんとあの子達の満足を考えて」
本当に不思議な人だ、と微笑を間近で向けられた。
わたしは待ってる間、壬生寺でいつも沖田さんと遊んでるこども達と鬼ごっこをすることにした。
伊木さんも同じく二日間の休みで、一緒に過ごそうとか言って来たけど断った。
「二人きりで夫婦の稽古が出来る貴重な休みやで」
とか言ってさ!
「明後日から最低十日は二人きりなのに、休みまで二人きりなんて勘弁して下さい!」
「ぶっつけ本番で大丈夫なんかいな」
「あのねぇ、男がおなごの格好して過ごさなくてはならない屈辱がわかりますか!なんでそれを二日も早めなくてはいけないんですか!」
と、怒りも露に断ったら諦めてくれた。
ふぅ。
「蘭はん、次、鬼~!」
「小太郎くん、足速いなぁ」
けっこう本気出してるのにさ!
「じゃあ行くぞー!皆逃げろ!本気で捕まえるからな!」
きゃあ~、と散らばるこども達。
「本気やなんて、蘭はんおとなげ無い~」
「うるさい!」
きゃっきゃと楽しそうに境内を逃げて行く。
「あ、沖田はーん!」
や、やっと…!
こども達が山門の方に駆けていくのを見て地面に座り込んだ。
「随分お疲れみたいですね」
笑いながらの声が降ってきた。
「蘭はん本気で追い掛け回さはるんやもん」
おとなやのに子供みたいや、と口々に続く言葉にも反撃出来ない。息が上がって。ハァハァ。
「次は沖田はん、遊んで!」
「いやいや、すまない小太郎。私は蘭丸と用事があるからね。また明日」
「え~」
ってこども達から不満の声。
元気だなぁ。わたしも相当鍛えてるのに。
「ほんまに明日遊んでな?」
「わかった」
約束を取り付けたこど達は安心したのか、それぞれに散って行った。
「蘭丸、大丈夫ですか?休憩しなくてはいけませんね」
屈んでわたしの顔をのぞきこんだ沖田さん。
「こどもにも手加減しないなんて…」
目と目が合って。
ぷっ、と沖田さんは吹き出した。
「あなたらしい。真っ直ぐですね。でもちゃんとあの子達の満足を考えて」
本当に不思議な人だ、と微笑を間近で向けられた。