輪廻ノ空-新選組異聞-
夢のような告白。

でも、

夢じゃない…。

わたしの肩に乗せられたままの沖田さんの手のぬくもりと、重みが、現実を感じさせて。

「わたしも……好きです」

沖田さん、大好きです!と、沖田さんに抱きついた。

「蘭丸」

しっかりと抱き締め返してくれる腕。

こんなに幸せで……

いいのかな。


グ、ググゥ〜〜〜
キュルキュル


ぎゃっ、わたしのお腹が盛大に…っ

「っぷ」

沖田さんがたまらず吹き出した。

「あっはっは。お腹が空いたんですね」

身体を離して、でも顔を見られるのも恥ずかしくて、俯いたままお腹をさすった。

「はあ…。お昼ご飯を食べずに、小太郎達と鬼ごっこを一刻ばかりしてたので…」

「それはひもじくなって当然です」

「ううっ、ですが、こんな時に恥ずかしいっ」

「でも私も安心をしたらお腹が空いちまいました」

と、沖田さんは笑顔で言ってくれた。

「向こう側の橋のたもとに茶屋みたいなのが見えますから、団子でも食べに行きましょう」

言って、ゆっくり歩き出した沖田さんの左隣に並んで、わたしも歩き出す。

「……!」

沖田さんの左手と、私の右手がチョコンとぶつかって。
そのまま、小指を絡めて…そしてぎゅっと手を繋ぐ。

心臓が張り裂けそうなぐらいドキドキして。
それが手から…お互いに伝わって。
照れ臭いけど、嬉しくて。
そのままずっと並んで橋を歩いた。
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