輪廻ノ空-新選組異聞-
肌と肌を重ねることが、こんなにも心地良いなんて…。

泣きたくなるぐらいの安心感と、包み込んでくれる愛情のぬくもり。

沖田さんにも同じ気持ちと感動を感じてほしくて、わたしは一所懸命こたえる。

肩幅はしっかりとしていて、全体は細くてスラッとした体形の沖田さんだけど…着痩せをする質なんだとわかった。

広い背中、

逞しい腕。



「こんなに…華奢な身体で……」

頑張っていたのですね、と。沖田さんは武骨な掌で私の身体をなぞりながら呟いた。

「華奢…ですか?」

くすぐったくて、思わず身体をすくめながら問い返す。

「他の皆さんよりよっぽど体格が良いと思いますけど…」

「それは、身の丈だけです」

肩も…腰も…こんなに薄くて細い…と、確かめるように肩や腰を包み込む掌。

「あなたは…このような事を言えば怒っちまうかも知れないけれど…」

沖田さんは唇と唇が触れ合いそうな近くまで顔を寄せて。

「ちゃんとここで生き抜けるよう…己が身をかけて守りたいと、思わずにはいられない」

だからこそ、数日でも離れて過ごすのは……辛い。と言葉を継いだ沖田さん。

「沖田さん…っ」

わたしは、ただ嬉しくて。
ありがたくて。

沖田さんの身体を引き寄せるようにギュッと抱き締めて。かぶさる沖田さんは、私に体重をかけないようにと気遣ってくれながらも、更に身体をしっかり重ねて、そして唇も重ねた。

「ありが、とう。沖田さん…っ、愛して…っ、ます…っ」

「蘭…、私も…。愛して、います」

呼吸もまともに出来ないような激しいキス。

でも、離れたくなくて、離したくなくて。

立つ音が、更にお互いの身体を熱くした。
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