BIRD KISSーアトラクティブなパイロットと運命の恋ー
オフィスに着いたのは午前九時。出発まで約二時間ある。
祥真は荷物を持ったまま、カウンセリングルームへ歩みを進めた。
乃々の言うことに関わらず、どのみち今日は月穂の来ない日だということは覚えている。
それでも、気が静まらなくてカウンセリングルームまで足をのばしたのだ。
なんの解決にもならないとわかっていながらも、おもむろにドアノブに手を伸ばす。
そこに、総務の男性社員が通りかかる。
「あ、おはようございます。カウンセラーの方だったら、しばらく来ないようですよ」
「え……」
挨拶と一緒に流れるように言われた言葉に、祥真は耳を疑った。
「でも、もしかしたら別の方が早めに戻って来てくれるかもしれないって話です」
さらに男性が続けた内容に、祥真は自身でもひどく落胆しているのがわかる。
小さく「そうですか」と答えたものの、心の中では納得がいっていない。
まさか、あの乃々の話が本当のことだったとは――。
信じがたい現実に、衝撃を隠せなかった。
祥真は荷物を持ったまま、カウンセリングルームへ歩みを進めた。
乃々の言うことに関わらず、どのみち今日は月穂の来ない日だということは覚えている。
それでも、気が静まらなくてカウンセリングルームまで足をのばしたのだ。
なんの解決にもならないとわかっていながらも、おもむろにドアノブに手を伸ばす。
そこに、総務の男性社員が通りかかる。
「あ、おはようございます。カウンセラーの方だったら、しばらく来ないようですよ」
「え……」
挨拶と一緒に流れるように言われた言葉に、祥真は耳を疑った。
「でも、もしかしたら別の方が早めに戻って来てくれるかもしれないって話です」
さらに男性が続けた内容に、祥真は自身でもひどく落胆しているのがわかる。
小さく「そうですか」と答えたものの、心の中では納得がいっていない。
まさか、あの乃々の話が本当のことだったとは――。
信じがたい現実に、衝撃を隠せなかった。