BIRD KISSーアトラクティブなパイロットと運命の恋ー
「もう五時!」
携帯を再びポケットに入れると、松葉づえをついてカウンセリングルームへ引き返す。
その道々、デイルームを横切ったときに、たまたま目がいった。
六つあるテーブルの内、ふたつほど入院患者が使用していた。
どちらも年配の入院患者で、片方は見舞客と一緒で、話に花が咲いている様子だ。
何気なく、もう一方の席にいた患者に視線を移すと、ひとりでテレビを眺めていた。
月穂はその患者につられ、テレビの液晶に目線を向ける。
画面の右上には、LIVEという文字があり、風の雑音とともに真剣な顔をしているアナウンサーがスタジオからのコメントに何度か頷いていた。
その表情や声に、楽しいニュースではないことは一目瞭然。
月穂はなんだか気になって、つい足を止めた。
デイルームから一歩出たところからでは、遠くて文字が見えづらい。テレビ自体が大きいものではないから余計だ。
目を凝らしてジッと見ていると、画面がパッと切り替わる。その光景に、心臓がドクンと嫌な音を上げた。
『こちらは、現在の成田国際空港です』
アナウンサーの言葉に、さらに動悸が増す。
『フランクフルト発のUAL航空機が、着陸直前にエンジンから出火し、現在も消火活動を行っています』
携帯を再びポケットに入れると、松葉づえをついてカウンセリングルームへ引き返す。
その道々、デイルームを横切ったときに、たまたま目がいった。
六つあるテーブルの内、ふたつほど入院患者が使用していた。
どちらも年配の入院患者で、片方は見舞客と一緒で、話に花が咲いている様子だ。
何気なく、もう一方の席にいた患者に視線を移すと、ひとりでテレビを眺めていた。
月穂はその患者につられ、テレビの液晶に目線を向ける。
画面の右上には、LIVEという文字があり、風の雑音とともに真剣な顔をしているアナウンサーがスタジオからのコメントに何度か頷いていた。
その表情や声に、楽しいニュースではないことは一目瞭然。
月穂はなんだか気になって、つい足を止めた。
デイルームから一歩出たところからでは、遠くて文字が見えづらい。テレビ自体が大きいものではないから余計だ。
目を凝らしてジッと見ていると、画面がパッと切り替わる。その光景に、心臓がドクンと嫌な音を上げた。
『こちらは、現在の成田国際空港です』
アナウンサーの言葉に、さらに動悸が増す。
『フランクフルト発のUAL航空機が、着陸直前にエンジンから出火し、現在も消火活動を行っています』