BIRD KISSーアトラクティブなパイロットと運命の恋ー
『ちぇ。こっちは今仕事終わって、ひとりでメシだって言うのにさ』
しかし、夕貴の雰囲気からは、そういうことを気にする素振りもない。
月穂と出会う前と変わらない態度で、祥真は安心していた。
「で、なに?」
『ああ、そうだ。小田さんの話。来月からとりあえず事務所に復帰するって! さっきオフィスで会ったんだよ。最近病院の検査結果も順調みたいで、また一緒にコクピットに乗るのも夢じゃないかもな』
祥真が小田を今でも気にかけていることを、夕貴は本人から聞かずとも知っていた。
「そうか……じゃあ俺たちも頑張らなきゃな」
『おう。まずは明日、香港に行ってくるわ。大和さんによろしく』
「気をつけろよ。じゃあ」
通話を終え、月穂に向かって淡々と伝える。
「夕貴が、よろしくだって」
そのひとことに、月穂の表情が明るんだ。
「そんなにうれしい?」
祥真は子どものように妬いて、ぶすっとした声音で尋ねた。
けれども、月穂は満面の笑みで返す。
「櫻田さん、いい人ですから。それに、祥真の親友ならやっぱり仲良くなりたい」
祥真は自分の器の小ささを痛感しつつ、たおやかに笑顔を咲かせる月穂に独占欲が湧き上がる。
「……またそういう可愛いことを」
しかし、夕貴の雰囲気からは、そういうことを気にする素振りもない。
月穂と出会う前と変わらない態度で、祥真は安心していた。
「で、なに?」
『ああ、そうだ。小田さんの話。来月からとりあえず事務所に復帰するって! さっきオフィスで会ったんだよ。最近病院の検査結果も順調みたいで、また一緒にコクピットに乗るのも夢じゃないかもな』
祥真が小田を今でも気にかけていることを、夕貴は本人から聞かずとも知っていた。
「そうか……じゃあ俺たちも頑張らなきゃな」
『おう。まずは明日、香港に行ってくるわ。大和さんによろしく』
「気をつけろよ。じゃあ」
通話を終え、月穂に向かって淡々と伝える。
「夕貴が、よろしくだって」
そのひとことに、月穂の表情が明るんだ。
「そんなにうれしい?」
祥真は子どものように妬いて、ぶすっとした声音で尋ねた。
けれども、月穂は満面の笑みで返す。
「櫻田さん、いい人ですから。それに、祥真の親友ならやっぱり仲良くなりたい」
祥真は自分の器の小ささを痛感しつつ、たおやかに笑顔を咲かせる月穂に独占欲が湧き上がる。
「……またそういう可愛いことを」