BIRD KISSーアトラクティブなパイロットと運命の恋ー
「実は以前、隼さんはロスで見ず知らずの私を助けてくれて……」
「ロスで? じゃあ、飲み会のときにふたりは再会したってこと?」
「はい。そうなんです」
食い気味で言葉を返す夕貴は、なにか思案するように顎に手を添える。
「へえ……。初耳だ」
次の瞬間、ベンチが小さく振動した。月穂は少し驚いたけれど、すぐに夕貴の携帯が原因だと悟る。規則的な振動音がまだ続く。
「夕貴さん? 隼さんから電話じゃ……」
振動の出どころは明らかに夕貴のジーンズのポケットだ。当然、夕貴本人もわかっているはず。それなのに夕貴が微動だにしないから首を傾げた。
おもむろに視線を上げた夕貴と目を合わせると、至極真面目な顔つきだった。
月穂は彼の瞳から逃れられず、夕貴と向き合ったまま。
「大和さん。俺と付き合わない?」
「は……い?」
「飲み会のときから、なんかいいなあって感じてたんだよね。大和さんって今まで出会ったことのないタイプで惹かれちゃって。うちの会社で再会して、チャンスだって思った」
夕貴の告白はあまりに突然すぎて、頭に入っていかない。
瞬きも忘れて夕貴を見ていると、彼はニコッと口角を上げた。
「どう?」
きっと、この爽やかな微笑みで大抵の女性は心が動くのだろう。しかし、月穂はときめく余裕もない。ただ狼狽え、ひたすら言葉を探す。
「わ、私……こういうの経験なくて……。ちょっと急すぎると言いますか……」
「とりあえずお試しとかでもいいよ」
再び言葉を失ったと同時に、ふいに昨日のキスが蘇る。
次の瞬間、男性の声が割って入る。
「夕貴!」
「ロスで? じゃあ、飲み会のときにふたりは再会したってこと?」
「はい。そうなんです」
食い気味で言葉を返す夕貴は、なにか思案するように顎に手を添える。
「へえ……。初耳だ」
次の瞬間、ベンチが小さく振動した。月穂は少し驚いたけれど、すぐに夕貴の携帯が原因だと悟る。規則的な振動音がまだ続く。
「夕貴さん? 隼さんから電話じゃ……」
振動の出どころは明らかに夕貴のジーンズのポケットだ。当然、夕貴本人もわかっているはず。それなのに夕貴が微動だにしないから首を傾げた。
おもむろに視線を上げた夕貴と目を合わせると、至極真面目な顔つきだった。
月穂は彼の瞳から逃れられず、夕貴と向き合ったまま。
「大和さん。俺と付き合わない?」
「は……い?」
「飲み会のときから、なんかいいなあって感じてたんだよね。大和さんって今まで出会ったことのないタイプで惹かれちゃって。うちの会社で再会して、チャンスだって思った」
夕貴の告白はあまりに突然すぎて、頭に入っていかない。
瞬きも忘れて夕貴を見ていると、彼はニコッと口角を上げた。
「どう?」
きっと、この爽やかな微笑みで大抵の女性は心が動くのだろう。しかし、月穂はときめく余裕もない。ただ狼狽え、ひたすら言葉を探す。
「わ、私……こういうの経験なくて……。ちょっと急すぎると言いますか……」
「とりあえずお試しとかでもいいよ」
再び言葉を失ったと同時に、ふいに昨日のキスが蘇る。
次の瞬間、男性の声が割って入る。
「夕貴!」