BIRD KISSーアトラクティブなパイロットと運命の恋ー
その声に反応して、月穂の心臓が大きく波打った。振り返ると、祥真の姿があった。
月穂は一瞬、夕貴から告白されて緊張していた気持ちが緩んだ。
しかし、すぐに昨夜のことを思い出し、さっきまでとは別の緊張感に襲われる。
「隼さん、こんにちは。お疲れ様です」
平静を装って挨拶したが、どこかそわそわとしてしまう。
祥真は、「ああ」と素っ気ない返事をした。祥真の態度に、月穂は傷ついた。
昨日までは、確かにふたりの距離は近づいていっていたはずだ。
少なくとも、月穂は祥真に特別な感情が芽生えた。しかし、今の彼の様子からは、自分と同じような気持ちを抱いているわけではないのだと悟った。
あのキスは弾みで、勘違いされたら困るのだろう、と解釈する。
月穂が小さく俯いていると、祥真がやや苛立って夕貴に話しかける。
「今、お前に電話したんだけど」
「ああ。そうだったんだ。悪いな。気づかなかった」
夕貴が笑顔でごく自然に嘘をつくものだから、月穂は驚いた。そこへ、さらに乃々がやってくる。
「隼さーん!」
乃々は高く可愛い声を出しながら、祥真に駆け寄る。
「検査お疲れ様でしたあ! もしなにか気になることがありましたら、いつでも連絡くださいね」
祥真は彼女を一瞥し、「はあ」と曖昧に返答した。月穂の目から見ても、祥真は乃々への対応が面倒くさそうだとわかる。
そして、自分も同じような位置づけなのだと落ち込んだ。
「ああ。なんか違和感あると思えば、うちの会社ではスーツだけど、病院では白衣着てるのな」
突然、祥真がジロジロと見てくるものだから。月穂はなんだか落ち着かない気持ちになる。
動悸が速くなっていくと同時に、頬が熱くなるのを感じた。
それは、夕貴に感じた緊張とは明らかに異なっていた。
「あ……は、はい。『白衣ひとつで背筋が伸びるから』って上司の勧めで」
「なるほど。確かに一理ある」
祥真が真剣な顔で頷く姿に、乃々は眉間に皺を寄せる。
月穂は一瞬、夕貴から告白されて緊張していた気持ちが緩んだ。
しかし、すぐに昨夜のことを思い出し、さっきまでとは別の緊張感に襲われる。
「隼さん、こんにちは。お疲れ様です」
平静を装って挨拶したが、どこかそわそわとしてしまう。
祥真は、「ああ」と素っ気ない返事をした。祥真の態度に、月穂は傷ついた。
昨日までは、確かにふたりの距離は近づいていっていたはずだ。
少なくとも、月穂は祥真に特別な感情が芽生えた。しかし、今の彼の様子からは、自分と同じような気持ちを抱いているわけではないのだと悟った。
あのキスは弾みで、勘違いされたら困るのだろう、と解釈する。
月穂が小さく俯いていると、祥真がやや苛立って夕貴に話しかける。
「今、お前に電話したんだけど」
「ああ。そうだったんだ。悪いな。気づかなかった」
夕貴が笑顔でごく自然に嘘をつくものだから、月穂は驚いた。そこへ、さらに乃々がやってくる。
「隼さーん!」
乃々は高く可愛い声を出しながら、祥真に駆け寄る。
「検査お疲れ様でしたあ! もしなにか気になることがありましたら、いつでも連絡くださいね」
祥真は彼女を一瞥し、「はあ」と曖昧に返答した。月穂の目から見ても、祥真は乃々への対応が面倒くさそうだとわかる。
そして、自分も同じような位置づけなのだと落ち込んだ。
「ああ。なんか違和感あると思えば、うちの会社ではスーツだけど、病院では白衣着てるのな」
突然、祥真がジロジロと見てくるものだから。月穂はなんだか落ち着かない気持ちになる。
動悸が速くなっていくと同時に、頬が熱くなるのを感じた。
それは、夕貴に感じた緊張とは明らかに異なっていた。
「あ……は、はい。『白衣ひとつで背筋が伸びるから』って上司の勧めで」
「なるほど。確かに一理ある」
祥真が真剣な顔で頷く姿に、乃々は眉間に皺を寄せる。