誠の華−ユウガオ−
「じゃあ三つ目を聞くよ」
私が落ち着いたのを確認するとそう聞く総司にそっと頷く。
「二人で幸せになろうねって、どう言う意味?まるで夫婦の誓いを立てる時のようなことを言っていたけど」
“夫婦”
許されるのなら、総司のお嫁さんになりたかった。
でも私達に残された時間を考慮すれば夢物語に過ぎない。
チクッと胸に刺さった現実に気付かないふりをして笑みを浮かべる。
「新撰組を抜けることになったの」
私の言葉を聞いた総司は驚き目を見開いた。
それもそうだ。
誰に反対されても全てを振り切って新撰組入隊を決めたんだ。
新撰組を心から大切に思っていた。
それを総司も理解しているから驚いている。
「だからさ、二人で家を借りて静かに暮らさない?試衛館に戻っても良いかなって思ったんだけどあそこは男だらけでむさ苦しいし二人で住むなんて夫婦みたいで素敵じゃない?」
「雪、何を言ってるの?」