誠の華−ユウガオ−



翌日


朝早くから炊事場では朝餉を作るふで、雪、ツネの姿があった。


「何だか久しぶりね、三人で作るのは」


「何言ってるのおふでさん、毎日一緒に作ってるじゃない」


あはは、と笑う雪にふでとツネは顔を引きつらせながら笑う。


「そろそろ勇さんたち起こさなきゃ!私行ってくるね!!」


「あ、雪!今日はみんないないよ。ほら…その……出稽古に行ってるから!」


慌ててツネが雪を止めるが雪は不思議そうに首を傾げる。


「こんなに早い時間にみんなで行ってるの?」


「う……」


「ち、違うわよ!ほら、相模の方まで行くから何日かかかるって言ってたじゃない!」


言葉に詰まってしまったツネの代わりにふでがそう言うが尚も雪は理解ができないと言わんばかりに首を傾げていた。


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