誠の華−ユウガオ−



「うぅ…ヒック……、勇…さんっ……」


こんな文もらって断れるわけないじゃない。


任せて、勇さん。


歳さんを守るからね。


勇さんは自分がいなくなった後、こうなるって分かっていたんだ。


溢れ出る涙と嗚咽を抑えようともしなかった。


“頼んだぞ”


襖の隙間から入り込んできた風と共に兄の声が聞こえた気がした。


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