誠の華−ユウガオ−
鞘
最近、同じ夢をよく見る。
恍惚とする満開の桜の下で少女の作った食事を囲み、同志達と酒を酌み交わす夢だ。
原田が腹踊りを披露する横で近藤さんと新八が飲み比べをし、中央には平助と総司に絡まれる山崎がいて、雪と斉藤は平隊士の数馬と裕次郎を交えて談笑をしている。
俺はその光景を端で山南さんと酒を飲みながら眺めている。
『土方君、武功を挙げて歴史に名を刻みたいと思う反面でいつまでもこの穏やかな時を守りたいと思う私は少し変わっていると思いますか』
『あぁ、変わってるな。だが俺も同じことを思っている』