誠の華−ユウガオ−
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今すぐ雪を抱きしめたかった。
たくさんの涙を流しながら僕に二度目の告白をしてくれた彼女が酷く愛おしかった。
でも駄目だ。
雪が京まで来てしまったあの時のような中途半端なことをしてしまえば雪は今以上に辛い思いをする。
病に侵された自分はもう雪に触れてはいけない。
「忘れたの?僕は雪を妹にしか見れないって言ったよね」
「例えそうだったとしてももう良い。私は勝手に総司を好きでいるしずっと側にいる」
「っ、そんなの駄目だ!」
「駄目じゃない。どうせ総司の事だから病のことを気にして私から距離を置こうとしていたんでしょう。いつだって総司は私のことを一番に考えてくれていたから。でも、もう良いんだよ総司。そろそろ自分を自由にしてあげて」