誠の華−ユウガオ−



その言葉を引き金に僕は雪を強く抱きしめた。


「ごめん、雪。たくさん傷つけて」


「本当だよ!!」


また泣いているのか、雪の顔を押し付けた僕の肩は水気を帯びていた。


たくさん泣かせてごめん、傷つけてごめん、苦しめてごめん。


きっとこれからもっと辛い思いをさせると思う。


でも、残りの時間を二人で生きよう。



君の記憶に僕が色濃く残るように生きよう。


< 30 / 219 >

この作品をシェア

pagetop