誠の華−ユウガオ−



どうしよう、どうしよう、どうしよう。


嬉しさと恥ずかしさで気が動転したまま部屋を飛び出して来てしまった。


「どうした、お雪。烏瓜みたいに顔が真っ赤だぞ」


頰に手を当てながら廊下を行ったり来たりしていると源さんに遭遇。


「げげげげげげげげ源さん!!!!別に!!特に!!何にもないっす!!!」


慌てて答えるといつもの優しい源さんの笑顔にちょっとだけ意地悪な顔が混ざる。


「総司とは仲良くやってるみたいだな」


「うっ…、私巡察行ってきまーーーーす!!!!!」


「はっはっはっ、若いっていいなあ」


バタバタと走り去って行く雪を井上は微笑ましく思いながら見守っていた。


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