誠の華−ユウガオ−



ー永倉sideー


「左之、平助のこと分かってるよな」


「応」


近藤さんと土方さんははっきり言わなかったが今宵の御陵衛士の暗殺を俺達二番、十番組に任せたのにはきっと理由がある。


俺達の同志を逃がす為だ。


俺達は平助を斬れねえ。


「なぁ、本当に隊士達には言わなくて良いんだよな?」


最後に確認するように聞く原田。


そんなこと聞かなくても分かることだろうに何故聞くんだと内心苛立つ。


「何か、嫌な予感がするんだよ」


そう言った原田の眉間に刻まれた皺にこちらまで”予感”とやらが移る。


こいつの感程当たるものはない。


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