誠の華−ユウガオ−




「己、新撰組め!!!我等御陵衛士を騙したな!!!」


伊藤の実弟であり元新撰組隊士の鈴木三木三郎が声を荒げる。


鈴木の狂気ぶりを内心鼻で笑う。


元はと言えばお前の頭が近藤さん暗殺を企んだことが始まりだ。


周りを見渡すと最後尾に戸惑いに瞳を揺らす平助がいた。


俺は平助と一番近くにいる左之に目配せをする。


逃げ切れよ、平助。


長い夜が始まろうとしていた。



ー永倉side endー


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