誠の華−ユウガオ−
「新撰組の皆はん、助けてくれておおきにありがとうございます」
最後に私達に向かって深く頭を下げると彼女はまた仕事に戻ってしまった。
まだ十にも満たない幼子が働かなければいけないなんて。
現代で過ごした時間よりもここで過ごした時間の方が長いにも関わらず、まだ受け入れきれないところがあった。
彼女の小さな背中を見送ると私達は店を後にした。
「何で子供が働かなきゃいけないんだろう」
屯所への帰り道、隣にいる左之さんに聞いてみる。
「そりゃあ一番の稼ぎ頭だからだろう。大人と違って覚えも良いし体力もある」
「子供が稼ぎ頭ねえ…」
情けないというか何と言うか……。