誠の華−ユウガオ−
「総司、入るよ」
「どうぞ」
一声かけて襖を開けると総司は布団に横たわっていた。
「やけに騒がしいね。何かあったの?」
部屋に入るや否や聞かれ、幾分落ち着いていた動悸が再び騒ぎ出す。
いつまでも隠しておくことはできないし、言うしかない。
「…落ち着いて、聞いて。実は…」
“近藤さんが襲撃されたの”
そう言うと今まで涼し気だった総司の瞳の奥が燃え盛る炎の如く豹変した。
それは私の幼馴染で恋仲の沖田総司ではなく新撰組一番組み組長兼副長助勤の沖田総司の顔だった。
「雪、今すぐ刀を頂戴」
「…っ、駄目だよ!動ける体じゃ……」
「早く!!!」