誠の華−ユウガオ−
ガキンッ ガキンッ ザシュッ
「はぁっ…、はぁっ…、はぁっ…、小賢しい!!!」
「雪さん、そんな言葉遣いよくないですよ」
斬っても斬っても次々と現れる敵に暴言を零すと私を援護してくれている裕次郎に怒られた。
「鉄砲は離れていれば有利だけど近くじゃ意味がないわよね」
視界の片隅に映る鉄砲隊を見据えてふと考える。
あの鉄砲隊の中に潜り込めればなんとかなるんじゃないか。
私の考えていることが分かったのか突然裕次郎が目を釣り上げて私の両肩を掴んだ。
「何を考えてるんですか。駄目ですよ」
「あの鉄砲隊の中に潜り込めたら大分戦力を削れそうじゃない?」
「あんなに遠くにいて更に鉄砲隊の周りも新政府軍がうじゃうじゃといるのにどうやって入り込むつもりですか。もう少し頭を使ってください」
「…チッ」