誠の華−ユウガオ−




すると歳さんを囲むようにして既に源さん、新八さん、左之さん、数馬、山崎さん、島田さんがいた。


「歳さ…副長、一番組戻りました」


歳さん、と言いかけて危うく言い直したが聞こえてしまったのかギロリと睨まれた。


敢えて気にせずに報告をする。



「敵に近づこうとすればするほど人が死んでいきます。何とか接近する方法はありませんか」


「……ない。刀や槍じゃ鉄砲には太刀打ち出来ない」


「そんな…」


これでは私達に勝ち目がない。


絶望に包まれた旧幕府軍だったが翌日、追い討ちをかけるかのような事件が起きた。


錦の御旗が掲げられたのだ。


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