サトラレル
そんな私の様子を見て、目の前の看護師さんの顔色が曇る。



「あなた、まさかーー」



彼女が何かを言いかけた瞬間に、バタバタバタバタッとけたたましい足音が病室の外から聞こえて、ドアの方へと目を向けると同時に、そのドアがバシーン!と派手な音を立てて開いた。



野々(のの)っ!大丈夫かーーー!!!」



(まこ)ちゃん……』



思わず、口から彼の名前が滑り落ちそうになるのを、口元を抑えて必死に止めた。



鳴海(なるみ)先生、病院では静かにして下さいよ……って言っても、"ののちゃん"の一大事ですもんね……まさか、患者さんは投げ出して来てないですよね?」



ため息を吐きながら看護師さんが言った言葉で、私に突進する勢いで向かって来ていた(まこ)ちゃんの身体がピタッと止まった。


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